長野県中野市・長野市・須坂市・飯山市で注文住宅(新築)、リフォーム、リノベーションを行っているNORIA HOME(ノリアホーム)インテリアコーディネーター 中村才子です。
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誰にでも好まれるホワイトは、実は色の中で最も難しい選択ではないか?私はそう思うことが多いのです。それはインテリアだけでなく、洋服を選ぶ時にもホワイトの色について迷います。ホワイトのインテリアは、コーディネーターをしている私にとっても、毎回色選びをする時とても慎重になります。その理由と選び方についてお話したいと思います。
「クロスはとりあえず白にしておけば間違いない」 そんな言葉をよく耳にします。確かに、白は清潔感があり、空間を広く見せてくれる万能色でもあります。ホワイトインテリアは一見シンプルで洗練された印象ですが、「なんだか冷たい印象になった」「思ったより落ち着かない」そんな違和感を、直感的に感じてしまうこともあります。色の勉強をしている場合は理論などで理解できますが、そんな勉強をしていなくても人は感覚で感じるのですから、洋服と違って気軽に取り換えることのできないインテリアは慎重になった方が良いです。でも、ちょっとした工夫でぐっと魅力的に仕上がります。
最初に知っておきたいのは、ホワイトには無数の種類があるということ。真っ白なピュアホワイト、少し黄味がかったアイボリーホワイト、グレイッシュなスモーキーホワイト。同じ「白」でも、光の当たり方や周囲の色との組み合わせで、印象が大きく変わります。私が打合せで大事にしていることは、そのわずかな違いをお客様にお話しして、理想とするインテリアにするにはどのホワイトを使ったらよいのかを話します。これは、お客様のご希望のホワイトを選ぶというより、全体の色とうまく調和したホワイトを選ぶという提案をします。

【サンゲツ/リザーブカタログより】
このようにクロスのカタログを見るとホワイトの種類はたくさんあります。サンプル帳でこのようにホワイトのクロスが並んでいると、色の違いは分かりやすいのですが、広い面積に貼ると、人間の目には上の写真のクロスは白に見えてしまう錯覚が起きます。
先ほどの話から、ホワイトといっても微妙な色の違いがあることが分かったと思います。その際どのホワイトを使うと良いのかについてお話します。
ナチュラルならアイボリー、モダンならオフホワイトやライトグレー。また、部屋の向きにもホワイトの色の選び方は変わってきます。例えば、北向きの部屋にピュアホワイトの壁紙を使うと、自然光が少ない分、冷たく無機質な印象になりがちです。逆に、南向きの部屋なら、少しグレイッシュな白の方が光を柔らかく受け止め、落ち着いた雰囲気を演出できます。

ファブリック(リネン、サテン)、木材(白木、ラタン)、金属(マット、鏡面)、ガラスなどを組み合わせると、ホワイト一色の部屋にしてもメリハリが出ます。すべてをホワイトで統一して小物などは色を使ってあげると良いです。光沢のある素材は光を反射して、空間を明るく見せる効果もあります。


照明と素材で「冷たいホワイト」を「温もりのあるホワイト」に変えることができます。照明の色は「電球色」を使います。電球色は、ホワイトに柔らかさが加わり、木材やファブリックと調和しやすくなります。ナチュラルで落ち着いた空間づくりにおすすめです。ホワイトは光に敏感な色なので、光の種類や方向によって印象が大きく変わります。電球の色を「昼光色」「昼白色」を使用すると冷たい印象の部屋になります。だからこそ、照明計画はとても重要です。
BEFORE:シンプルで殺風景な印象のお部屋

AFTER:照明をつけると温かみのあるお部屋に変身

この写真のように、壁や天井に向けた間接照明を使うことで、ホワイトの壁がふんわりと光を受け止め、空間全体が優しく包まれたような印象になります。特に寝室やリビングでは、直接照明よりも間接照明の方がホワイトの魅力を引き出せます。
ホワイトはどんな色とも合わせやすい反面、単体で使うと無機質になりがち。そこで、素材の質感を活かして「温度感」を加えるのがポイントです。
無垢材、突板などの自然な木目と合わせると、白が引き立ちつつ、空間に温もりが生まれます。 例えば、ホワイトの壁に木製の棚やフレームを取り入れるだけで、視覚的なバランスが整い、居心地の良い空間に。下の写真はオフホワイトのクロスを貼ったナチュラルなお部屋です。素材の温かみがより際立ちます。

白いソファやベッドリネンには、ざっくりとした麻や合成繊維、柔らかなコットンを選ぶと、質感の違いが空間に奥行きを与えます。

白い壁に磁器タイルやグレイッシュな石材を合わせると、洗練された印象に。水廻りや玄関など、機能性とデザイン性を両立したい場所におすすめです。

最後にホワイトを選ぶ際に大事なことですが、汚れ対策を考えて選びましょう。小さなお子様やペットがいる場合は特に重要です。撥水・防汚加工のクロスやファブリック、洗える素材を選ぶと安心です。
このように、ホワイトは「選び方」と「組み合わせ方」で、冷たくも温かくもなる色。だからこそ、空間の目的や雰囲気に合わせて、照明と素材を丁寧に選ぶことが大切です。家の大きな面積を占めるクロスで、ホワイトを選ぶ場合は家全体の大きなイメージを左右します。どんなイメージの部屋を作りたいのかで選ぶホワイトも違うということです。自分で選ぶことが難しいと思う方は是非ご相談ください。カラーコーディネート+パーソナルカラーを用いてお客様のご希望の空間づくりをお手伝いします。ホワイトは無限の可能性を引き出してくれます。私が最も難しいと感じる色は実は、私が最も好きな色でもあります。
ノリアホームは創業52年の長野県中野市を拠点とした地元密着工務店です。住まいのことで何か困ったこと、相談したいことがあるときはお気軽にお問合せください。
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